2017/11/22

ロースター異動まとめ(2017年11月)

11/1 Baker監督退任, Dave Martinez監督就任
11/2 FA退団, Matt Wietersは選手オプションを行使して残留
11/20 Wander Suero, Jefry Rodriguez, Kelvin Gutierrezが40人ロースター入り




● Baker監督退任, Dave Martinez監督就任 
ワールドシリーズを前にDusty Baker監督の退任が発表され、さらにシリーズ中にDave Martinez新監督の就任が明らかになりました(就任会見はシリーズ後)。

2年連続ぶっちぎりでの地区優勝は十分感謝しますが、2年連続でNLDS第5戦での敗退、しかも2年とも疑問の残る采配が絡んで1点差での敗退ということで、惜しいとは思いません。ただ、ワシントン移転後はくるくると監督が替わり過ぎてきたのも確かで、再契約でもありだと思っていました。まあ、結果は交代となりましたが、今回Dave Martinezと3年(4年目球団オプション)という比較的長い契約を結んだことは好印象です。

さて、新監督となったMartinezはニューヨーク・ブルックリン出身の53歳。名前の通りプエルトリコ系です。選手としては外野手で、1983年にドラフトでカブスに入団し、1986年にメジャーデビュー。以降、2001年に引退するまで15シーズンにわたり9球団でプレーしました(ナショナルズの前身であるエキスポスにも1988年から1991年まで在籍)。引退後は指導者の路を歩み、2008年から2014年はJoe Maddon監督の下でレイズのベンチコーチとして、そして2015年からはMaddon監督とともにカブスに移籍してベンチコーチを務めてきました。つまり、指導者としての師匠はJoe Maddonということになります。この間、複数球団の監督候補として名前が挙がりましたが縁がなく、今回(おそらくは)念願叶っての監督就任となりました。

新人監督とはいえ、Bryce HarperとDaniel MurphyのFA前最終年となる来季を逃すとかなり戦力が苦しくなるのは確実で、来季はいきなりプレッシャーがかかるはず。しっかりお願いします。


● FA退団, Matt Wietersは選手オプションを行使して残留 
以下の12選手が契約満了によりFAとして退団しました。Jayson Werthの退団については長い記事を書きたい気持ちもあり、実際シーズン中に書きかけたものもあるのですが、完成させるほどの気力がないので断念します。

Jayson Werth, OF 
遂に7年契約を満了しました。故障も含め、数字だけ見ればほぼ契約当初に想定していたとおりという感じですが、何よりもナショナルズという球団への(FA)選手からのイメージを変えてくれたことは現在の常勝軍団の構築に大きく影響しました。このほか、ベンチでのリーダーシップも高く評価されており、数字に表れにないところで大いにチームに貢献してたことも事実。このまま引退してナショナルズ球団に残ればいいのではないかと思いますが、さて。え?NLDS第5戦の守備?ええまあ。

Adam Lind, 1B/OF 
来季オプションを球団が破棄したため退団が決定。500万ドルは控え野手には高額ということでしょうが、思った以上に難しい判断となりました。判断を難しくした理由は今季のLindの活躍。代打としての4本塁打はメジャー最多。来季はレギュラーとして活躍できる球団に行けるといいですね。

Jose Lobaton, C
控え捕手として4シーズン在籍。守備は良く、ベンチでのムードメーカーとしての役割も果たしていたようですが、いかんせん打てませんでした。特に今年は.170/.248/.277という惨憺たる数字。33歳という年齢も考えると再契約は考えにくく、他球団でもメジャー契約が得られるかどうかは分かりません。

Stephen Drew, INF 
控え内野手として2シーズン在籍。今季は4月に右ハムストリングを痛めてDL入り、復帰したものの7月に今度は脇腹を痛めて再びDL入りとなり、そのままシーズン終了。35歳。故障が多いことも考えると、なかなかメジャー契約を得るのは難しいでしょう。

Matt Albers, RHP
今シーズンの最大の掘り出し物となった中継ぎ投手。スプリングトレーニング招待選手で開幕こそSyracuse(AAA)で迎えましたが、すぐにメジャーに昇格すると、以降シーズン終了まで安定したピッチングを続け、終わってみれば防御率1.62、WHIP0.85という素晴らしい数字。シーズンを通して投げ唯一のブルペン投手となりました。35歳という年齢なので大型複数年とはいかないでしょうが、メジャー契約を得ることは難しくないでしょう。ナショナルズとの再契約は・・・あるとすれば早いタイミングでしょう。

Oliver Perez, LHP 
2年契約を満了。対左打者用の左腕としては、今シーズンも73打席でOPS.665、1本塁打に抑えるなど、しっかり仕事をしました。ナショナルズにはSammy Solis、Enny Romero、Matt Graceとメジャーのブルペンに入る左腕がそろっているので再契約はなさそうですが、対左打者用の左腕には一定の需要があるのでどこかと契約できるのでははいかと見ています。

Joe Blanton, RHP 
2月に1年契約を結んだ時点で少し予想していましたが、外れのFA契約となりました。シーズンを通じて安定せず、シーズン防御率は5.68。NLDSのロースターに入れませんでした。37歳。引退かな。

Brandon Kintzler, RHP 
夏のブルペン大改造に際してツインズから加入。ツインズではクローザーを務めていたが、ナショナルズではセットアッパー(もっぱら7回担当)として貢献。契約が残っていて残留するRyan MadsonとSean Doolittle、あるいはKoda Gloverとは違った軟投タイプの投手であり、再契約が理想ですが、本人はクローザーとして契約できるところを探すと思われます。

Edwin Jackson, RHP 
7月にJoe RossがTJ手術でシーズン絶望となった後のローテーションを埋めてくれたのがJackson。8月後半以降は疲れからか成績を落としましたが、よく貢献してくれました。既に12球団を渡り歩いてきましたが、まだ34歳。今年の成績を考えれば、13球団目は十分ありそうです。

Howie Kendrick, INF/OF 
フラッグディールトレードでフィリーズから移籍してきてから、故障者が続出したチームの穴を実によく埋めてくれました。ナショナルズでの成績は打率.293、OPS .837という素晴らしいものでした。年齢的に来季も控え野手でしょうから、ナショナルズと再契約してくれる可能性もあると思います。

Ryan Raburn, OF 
5月にホワイトソックスからマイナーリーガーとして金銭トレードで獲得。ナショナルズ外野陣の度重なる故障によりメジャーに昇格すると、14試合の先発を含む25試合で.261/.304/.431とまずまず活躍したが、不運にも7月にDL入りしてそのままシーズン終了となってしまいました。来季はあってもマイナー契約でしょう。

Alejandro De Aza, OF 
未契約のまま開幕していたところ6月にマイナー契約。やはり外野陣の故障の余波で8月にメジャー昇格。以降、最低限の控え外野手として貢献してくれました。こちらも来季はマイナー契約かな。

なお、Matt Wietersは1年1050万ドルの選手オプションを行使して残留を選択。打撃・守備成績の低下からFA市場に出てもこれ以上の契約が得られる見込みはなかったことからこの選択は予想されていましたが、ポストシーズンでの戦犯となったプレーの記憶も新しいところ、ファンからは非難囂々。これを黙らせる活躍が求められます。


● Wander Suero, Jefry Rodriguez, Kelvin Gutierrezが40人ロースター入り
12月に開かれるルール5ドラフトを前にしたロースター整理が行われ、ナショナルズではWander Suero, Jefry Rodriguez, Kelvin Gutierrezの3人が40人ロースター入りしました。3人ともドミニカ共和国出身で、いずれも初めてのメジャーロースター入りです。

Wander Sueroは26歳。右投げのブルペン投手。2010年に契約してから必ずしもプロスペクトとして注目されることはありませんでしたが、着実に階段を上り、2016年に完全にブルペンに転向してから成績は急上昇。今季はAAで18試合、AAAで36試合に投げていずれも防御率1点台。クローザーとして計20セーブを記録しています。すごい持ち球があるわけではありません。

Jefry Rodriguezは当ブログでは2014年シーズンのMy Top 10 Prospectsに選んでいた投手(当時は大手のランキングでも組織内トップ10に顔を出すこともあった)。その後故障もあって伸び悩みましたが、今季は(夏場に2か月あまりDL入りしたものの)Potomac(A+)で防御率3点台前半と好投。身体能力の高さと速球は高く評価されており、まだ24歳と若いこともあってのプロテクトと思われます。

Kelvin Gutierrezは23歳の三塁手。右投げ右打ち。2014年に米本土でデビューしてからはコンスタントに高打率・高出塁率を記録。今季はPotomacでプレーしていましたが、故障で離脱。秋にようやく復帰し、派遣されたアリゾナ秋季リーグでは13試合40打席で打率.350と活躍し、今回の40人ロースター入りを勝ち取りました。

3人とも、来季のメジャーデビューも夢ではありません。頑張れ。

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