2016/12/10

Prospect Profile #11: Lucas Giolito

[2016年12月最終更新, 2015年5月更新、2014年4月オリジナル]

このシリーズの通算第11回、2014年の第1弾は、2013年11月のBAプロスペクトランキングで1位、全体でも21位と高く評価されたLucas Giolitoです。

[Player Data]
Name: Lucas Giolito
Position: RHP
Born: July 14, 1994
Birthplace: Santa Monica, California
School: Harvard-Westlake HS (California)
Height: 6-6
Weight: 225
Bats: Right
Throws: Right
Draft: 2012-1(16) WAS
Acquired: Draft
BA Organization Rank: 2(2013)1(2014)  ⇒1(2015) ⇒1(2016)
BA Overall Rank: 67(2013)21(2014)  ⇒7(2015) ⇒5(2016)

[Scouting Report]
197センチの長身という体格を活かした100マイルに達する速球が最大の武器。スリークォーター気味に腕が出てくるが、それが微妙な変化を生み出し一層打ちづらくしている。大きく割れるカーブも高校時代から高く評価されてきた。2013年シーズンには80マイル台半ばのチェンジアップを習得。これらを組み合わせてイニング数を上回る三振を奪っている。また、2013年の与四球率3.4と、コントロールも良い。投球フォームも安定しており、既にかなり完成されている印象。Roy HalladayやJohn Smolzと比較する向きもあるほどの逸材とされる。
(Photo by Carl Kline)

[Background]
2012年の春先までは、高校生ナンバー1、あるいは全体1位指名を予想するスカウトがいたほどの逸材。しかし、右ヒジの痛みで2012年シーズンはほとんど投げられず、ドラフトが近付くに連れて評価を下げ、ドラフトの直前のBAランキングでは9位となっていた。当日はさらにナショナルズの指名順の16位までスリップ。ちなみに、同ドラフトでパドレスに全体7位指名されて入団したMax Fried投手は高校のチームメイト。UCLAへのコミットメントもあり入団交渉は難航したが、期限ぎりぎりに合意に至った。

2012年8月14日にGCLでデビューし2イニングを投げたが、懸念されていた右ヒジ痛が再発。同23日にTJ手術を受けてシーズン終了。

リハビリを経て2013年7月3日にGCLで復帰。少しずつ投球数を増やし、最長5イニングを投げられるようになったところで、Auburn(SS)に昇格して3試合に登板。両チームで計11試合、36回2/3を投げ、1.96/1.15、39奪三振、14四球という抜群の成績。球速も回復し、プロスペクトとしての評価を急上昇させた。

2014年シーズンはSSでの開幕を予想する向きが多かった中で、あえてHagerstown(A)で4月から登板。初戦こそ(寒い気候もあり)3回3失点だったが、以降は安定した投球を続け、8月中旬に投球回数制限(計97イニング)に達してシーズン終了となるまでに計20試合に先発し、2.20/1.00、110奪三振、28四球と終わってみれば圧倒的な数字を残した。7月にはオールスター前座のFutures Gameに選出。その前後には2度のリーグ週間MVPを受賞し、シーズン終了後にはリーグ最優秀投手賞も受賞。何より、TJ手術からの回復は全く順調に推移。元々高かった評価を更に高め、あらゆるプロスペクトランキングで全体トップ10入りを果たした。

2015年は開幕からしばらくフロリダで過ごした後、5月に入ってPotomac(A+)で開幕。初戦は打ち込まれたものの、2戦目は6回1失点11奪三振と快投。6月から7月にかけての6試合30イニングでは、自責点3(防御率0.95)、35奪三振と打者を圧倒。再びFutures Gameに出場した直後にHarrisburg(AA)に昇格。AAでも最初の2試合で打たれたが、8月14日の試合では7イニングを1安打1四球11奪三振の無失点に抑え、週間MVPを受賞。シーズン終了までにAAで13試合に先発して2.71/1.22の好成績で、MLB全体でも5本の指に入るエリートプロスペクトと評価されるに至った。

2016年はメジャーのスプリングトレーニングに参加した後、開幕はHarrisburg(AA)。またもやや出遅れたが、エンジンさえかかればAAの打者など相手ではないと言わんばかりの投球。6月10日に7回無失点12奪三振の快投を見せると、(AAAを飛ばし)6月28日のメッツ戦でメジャーデビュー。この試合、4回まで1安打無失点ピッチングだったが雨のため無念の降板。以降はメジャーとSyracuse(AAA)を行ったり来たりしながら投げ、AAAっでは最終的に7試合37回1/3で40奪三振、2.17/1.10としっかり抑えたが、メジャーでは出れば打たれるを繰り返した。メジャーでの成績は21回1/3で6.75/1.78。結局初白星を記録することはなかった。内容も、速球は90マイル台前半にとどまり、カウントを作ることはできても決め球に欠け、11奪三振に対して12与四球。夏にはMLB全体でも1,2を争うプロスペクトとしての評価を得ていたが、シーズン終了時には大きく評価を下げることになった。

2016年12月7日、Reynaldo LopezDane DunningとともにAdam Eatonとのトレードでホワイトソックスに移籍して、退団することになった。

[Comment]
2016年夏に最高値を付けたプロスペクトとしての評価が大きく下落したこのタイミングでのトレードはすんなりと納得できないものがありますが、メジャーでのあのピッチングを見せられてがっかりした身としては、やむを得ないかなとも思います。ともかく、再建モードのホワイトソックスであれば早々にメジャーのローテーションで投げる機会を与えられることでしょう。マイナーでのように、最初しばらく苦しんでもいずれはしっかり支配的な投手になれるよう、頑張ってください。(2016年12月)

期待通り、全体トップ10に入るトッププロスペクトに成長。今季はおそらくPotomacで過ごすことになると思いますが、しっかりと投球回数を積み上げて来春のスプリングトレーニングに呼ばれることを期待。ほぼ同じように扱われているReynaldo Lopezといい感じで競い合って一緒にステップアップしてくれればと思います。(2015年5月)

Stephen Strasburgの次の世代のエース候補として大きな期待を持って見ています。くれぐれも無理はせず、しっかり投げて、来年のプロスペクトランキングで全体トップ10に入るような飛躍を期待しています。(2014年4月)

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