2014/02/14

Karns と Lobaton ほか2人のトレード

スプリングトレーニングがいよいよ始まるというタイミングになって(実際、今回のトレード対象の選手たちはもうそれぞれのキャンプ地に入っていました)、レイズとの間でトレードが成立。

ナショナルズからNate Karns投手がレイズに移り、ナショナルズはJose Lobaton捕手と、マイナーのFelipe Rivero投手とDrew Vettleson外野手を獲得しました。

Nate Karns 
3G (3GS) 12.0IP 6BB 11K 7.50/1.92 [2013 MLB]
23G (23GS) 132.2IP 155K 48BB 3.26/1.18 [2013 AA]
2012年までの経緯は2012年に球団公式の最優秀マイナーリーガーに選ばれた際に書いた記事をご覧ください(こちら)。そして、大きく期待されて迎えた昨シーズン、5月にRoss Detwilerが故障離脱してローテーションが空いた際に最初に呼ばれたのがKarnsでした。しかし、3度の先発機会では結果を残せず、AAに逆戻り。とはいえ、その後AAでは上記のような立派な数字を残し、2月に発表されたBAのランキングでは組織内9位(Robbie Rayを除けば8位)とプロスペクトの地位を保っています。

Jose Lobaton
100G 311PA 7HR 65K .249/.320/.394 0SB (2013 MLB)
ベネズエラ出身の29歳の捕手。両打ちの打撃はそこそこパワーもあり、特に左打席でよく打っています。守備面では、盗塁阻止率こそあまり高くないものの、キャッチング技術は高く評価されています。昨季はレイズでJose Molinaと仕事を分け合い、キャリア最高の打撃成績を残しましたが、オフにRyan Haniganをトレードで獲得してしまったために、完全に宙に浮いた状態になっていました(オプションが切れウェイバーを通さないとマイナーに落とせません)。デビューが遅かったのでまだ年俸調停前であと4年は雇えます。

Felipe Rivero
25G (23GS) 127.0IP 91K 52BB 3.40/1.37 (2013 A+)
ベネズエラ出身の22歳の左腕投手。BAによるとレイズの組織内で17位のプロスペクトとされていますが、Fangraphsでは10位。昨季はA+で安定した投球を見せ、評価は上昇中。まだAAにも到達していませんが、昨年12月のルール5ドラフトの対象となるところでプロテクトのために40人ロースターに入っています。球速は95マイルを投げるが、安定性に欠けるとのこと。

Drew Vettleson
121G 516PA 4HR 78K .274/.331/.388 5SB (2013 A+)
やはり22歳の外野手。左打ち。2010年ドラフト1順目サンドイッチピック(全体42位)で高卒入団。最初の2シーズンは好成績で順調にステップアップしましたが、昨季はA+で少し頭をぶつけた感じで本塁打数も盗塁数も激減。BAのランキングでも昨年の11位から今年は20位に落ちました。守備も課題が多く、ライトしか守れません。

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控え捕手を強化したかったナショナルズと先発投手の層を厚くしたかったレイズのニーズが合致した形でのトレード。

健康でいる限りはWilson Ramosをレギュラーとして使い続けるつもりのナショナルズにとって、そこそこ打ててそこそこ守れ、仮にRamosが長期離脱するとなった場合には何とかレギュラーとしてやっていけるだけの力がありそうなLobatonは、理想的な控え捕手と言えるでしょう。少なくとも、Jhonatan Solano、Sandy Leonという実績のない2人に比べれば明らかなグレードアップです。

とはいえ、当初1対1トレードかのように報じられた時は、レイズで明らかに余剰となっていたLobatonの獲得のためにKarnsは出し過ぎだろう、という印象を持ちました。しかし、Karnsは既に26歳になっている上、昨シーズン同じようにメジャーでの機会を与えられて結果を残したTanner RoarkとTaylor Jordanに完全に追い抜かれており、最も「出してもいい」投手だったのは間違いありません。むしろ、価値が下がってしまう前のいいタイミングで売り切ったと言えるかもしれません(ブルペンに回せば支配的な投手になれる可能性を持っており、そういう意味ではやっぱり惜しかったかなと思いますが)。

しかも、Lobatonだけでなく、プロスペクトとしての価値が十分にある2人の22歳を獲得したとあっては、これは完全に、またしてもRizzo GMがうまくやったという感想を持たざるを得ません。Riveroが大きく注目されていますが、Vettlesonの数字もよくよく見ると、本塁打は減っていますが二塁打はむしろ増えており、まだ若いので、これから成績・評価を戻してくる可能性は十分あると思われます。

ナショナルズに来た3人はもちろんKarnsにも、今後、活躍してくれることを期待しています。

8 件のコメント:

ハーパー さんのコメント...

ナッツのローテは少なくともフィスター、ジマーマンのFAが来る2015年までは安泰で動くことがないので現在26歳のカーンズは使いどころがなかったのでしょう。
代わりに22歳のリベロを獲得できたのは大きいと思います。2年後以降を見据えた素晴らしいトレードだったと言えます。2年後にはリベロがローテの一角を争うレベルの投手に育つというのが前提ですが…
高齢で使いどころがなく不良債権化していた選手でロバトンと若手2人獲れたので万々歳です。

モコモン さんのコメント...

ブログ再開してたんですね、お帰りなさいー

ロバドンは打撃も少し期待できるので仮にラモスが離脱した時のバックアップ捕手としては最高の補強になりましたね、オフにRayとBurnsを放出しましたがVettlesonとRiveroまで一緒に獲得して穴埋めもしっかり出来た素晴らしいトレードだったと思います。

トレードに関してはFisterの時も本当に素晴らしかったと思います、
私はEspinosaをレギュラーとして期待するのは相当危険だと思っており、その点ずっとトレードが噂になっていたRendonを放出せずに安定して2桁勝てる先発を獲得してブルペンを整えるとはRizzoの手腕は流石としか言えないです。

今年も宜しくお願いします~

有明ハーパー さんのコメント...

A'sとRaysが欲しがる選手だという事は凄いポテンシャルがあるんじゃないかと思ってしまう。そして、何だかもの凄く出すには惜しい選手だと思ってしまう。

貧乏球団、お宝発掘能力はホントすごい。

estoppel さんのコメント...

>はーぱーさん

Riveroがローテーション投手にまで育つかどうかは分かりませんが、ナショナルズでは先が見えているKarnsの現在価値をRiveroとVettlesonという2人の将来価値に置き換えたことで、時間軸を先に移したということだけでも評価できるトレードだと思います。(Karnsにとっても良かったと思いますし)

FA、オプション切れ、ルール5ドラフト、そして年齢。MLBでは、こうしたタイミングを計算しながら編成していくことが常勝チームを作る上で重要なポイント。Rizzo GMはその辺りがとてもよく見えているようにに思います。

estoppel さんのコメント...

>モコモンさん

ありがとうございます。これからもぼちぼちやっていきますので、よろしくお願いします。

もちろん全部当たりというわけではありませんが(Willingham = H-Rod+Brownは明らかに負け)、全体的にRizzo GMの、特にトレードでの手腕は高く評価できると思います。モコモンさんのおっしゃるとおり、Rendonを出さずにFisterを獲得できたことには本当に驚かされましたから。これからもどんな動きを見せてくれるか、楽しみです。

estoppel さんのコメント...

>有明ハーパーさん

確かにこの2球団にはそういう印象がありますね。Gio Gonzalezトレードで放出した4人にしても、戻ってきたColeは別として、しっかりメジャーリーガーになっていますしね。

でも、個人的にはそういうふうに余所に行って活躍してくれるのも嬉しいなと思っています(ナショナルズ戦ではお手柔らかに、とは思いますが)。BurnsとKarnsも、タイガースに行ったRayも、花開いてくれるよう、応援しています。

ハーパー さんのコメント...

こんばんは。このたびブログを移転したのですが、リンクを共有させていただいてもよろしいでしょうか
http://b-harper34.blogspot.jp/

estoppel さんのコメント...

ハーパーさん
リンクよろしくお願いします。
こちらでも貼らせて頂きます。