2016/12/10

Prospect Profile #23: Reynaldo Lopez

[2016年12月”再”最終更新, 2016年10月最終更新, 2015年3月オリジナル]

2015年の新規3人目、全体23人目は、2014年に急速に評価を上げたReynaldo Lopez投手。(オリジナル時)

2016年のワールドシリーズは、最強ローテーションにリーグMVP確実と言われるKris Bryantを軸とする打線で1945年以来のワールドシリーズ出場となる「大本命」カブスと、エースのCorey Kluberだけを残してローテーション投手が軒並み故障して投げられない中、セットアッパーAndrew Millerの起用法を含むTerry Franconaのマジックで勝ち上がってきた「ダークホース」インディアンズの対決となりました。面白そうですが、まあ、それはともかく、Prospect Profileシリーズの更新です。(2016年10月最終更新時)

10月にメジャーデビューに伴う「最終更新」としてアップしましたが、12月にLucas GiolitoらとともにAdam Eatonとのトレードでホワイトソックスに移籍しましたので、”再”最終更新します。(2016年12月)

[Player Data]
Name: Reynaldo Lopez
Position: RHP
Born: January 4, 1994
Birthplace: San Pedro de Macoris, Dominican Republic
School: NA
Height: 6-0
Weight: 185
Bats: Right
Throws: Right
Draft: NA
Acquired: International FA(2012)
BA Organization Rank: ⇒ 4(2015)  ⇒5(2016)
BA Overall Rank: 49(2015) ⇒92(2016)

[Scouting Report]

右の「本格派」投手。最大の武器は100マイルに達する速球。長身を活かして上から投げ下ろす角度のある速球は常時95マイル以上。これに加えて、縦に大きく鋭く曲がるカーブを交えることで空振りが取れる。他に持ち球はチェンジアップもあるが、決め球としては今一つ。投球フォームはスムーズで安定しており、制球で崩れるということはないローテーション投手としてもやっていけるが、球威を活かしてブルペンに回る可能性も取りざたされている(2016年の9月~NLDSではロングリリーフを経験)。

[Background]
2012年の夏に18歳でナショナルズと契約。当初は球速も90マイル未満でさして期待されていなかった。契約直後に5試合10.2イニングを投げた後、2013年には米本土に上陸したものの、腕の痛みのためAuburn(SS)とHagerstown(A)で各1試合の登板にとどまった。

飛躍の年となったのは2014年。コーチ陣の指導のもと投球フォームを矯正して大変身。速球は常時95マイル前後で時には100マイルにも達するようになり、カーブが武器として使えるレベルになったこともあって、SSやAの打者を完全に支配。16試合83.1イニングに登板して、1.08/0.82と圧倒的な数字を残し、一躍プロスペクトとして注目されることになった。BAでの全体49位を筆頭に各ランキングで軒並み全体トップ100入り。

一転して2015年は「足踏み」のシーズンとなった。Potomac(A+)で開幕を迎えると、最初の3試合計17イニングで1失点と好投したが、5月下旬から打たれ始め、3回持たずに5失点とか6失点でKOされることもあった。夏を迎えて復活し8月には週間MVPも受賞したが、直後に背中の痛みを訴え、19試合99イニングで4.09/1.22、94奪三振、28四球という微妙な数字を残し、8月18日の登板でシーズン終了。

2016年はHarrisburg(AA)で開幕したものの、5月~6月にかけての10試合54.1イニングで防御率2.48、そしてなんと81奪三振という圧倒的なピッチングで卒業し、Syracuse(AAA)に昇格。また、7月にはMLBのオールスターの前座開催のフューチャーズ・ゲームにもナショナルズを代表して出場

そして、オールスター明け7月19日のドジャーズ戦でメジャーデビュー(先発)。先に昇格・デビューしたLucas Giolitoが今一つだったこともあって回ってきたチャンス。ただ、1回表先頭のChase Utleyに右中間へホームランされたのを皮切りに、計6失点で5回途中降板というかなり苦いデビュー戦となった。この後、AAAとメジャーとを行ったり来たりする中、8月13日のブレーブス戦で7回1失点と好投し、メジャー初白星。9月に入るとロングリリーフとして起用され、適性を見せたことでNLDSのロースターにも入った(1試合2イニングに登板)。メジャーでの数字は11試合(うち6先発)で4.91/1.57という微妙なものだったが、44イニング(まだルーキーステータスを維持)で42個の三振を奪うなど可能性を感じさせた。

2016年12月7日、Lucas GiolitoDane Dunningとともに、Adam Eatonとのトレードでホワイトソックスに移籍することになった。

[Comment]
ドミニカ共和国出身の投手プロスペクトでは、私が当ブログを始めてから初めてといってもいいくらいの成功例。ファンをわくわくさせるピッチングができる投手だっただけにGiolito以上に惜しい気持ちがあります。ナショナルズにいたら先発投手として大成できたかどうかはわかりませんが、再建モードのホワイトソックスならローテーション投手としてチャンスが与えられるはず。今後の活躍を心から願っています。(2016年12月)

ほぼ同じペースでステップアップし、メジャーデビューでは先を越されたLucas Giolitoが今のところメジャーに適応しきれないままなのに対し、Lopezは先発で2つ白星を記録した上、9月にロングリリーフに回ってからは素晴らしいピッチングを披露し、結果的に5勝を記録しています。ブルペン投手としての適性もありそうですが、まだ若いし、来季はAAAで待機させ、ローテーション投手として大成することを期待したいですね。(2016年10月)

実際に投げている姿を見たことは短いクリップ動画以外にないのですが、これだけ各ランキングで評価されるとどうしても期待してしまいます。ドミニカ共和国出身のプロスペクトはマイナーの階段を上がっていく途中で期待を裏切ることも多いのですが、Lopezはホンモノと信じています。(2015年3月)

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