2017/11/11

Murphyがシルバー・スラッガー賞を受賞, ゴールド・グラブは受賞なし

 オフの各賞発表が始まりました。

最初に発表されたゴールド・グラブ賞に、ナショナルズの選手の名前はありませんでした。Anthony Rendonが昨年に続きトップ3の得票を得ましたが、Noran Arenadoに敵うはずはありません。センターではMichael Taylorが初のトップ3の得票を得ましたが、こちらもブレーブスのEnder Inciarteの連続受賞を阻止することはできませんでした。

続いて発表されたシルバー・スラッガー賞では、Daniel Murphyが2年連続2度目の受賞。ナ・リーグの二塁手の中では打率/出塁率/長打率、本塁打、打点全てで1位の数字。ライバルが見当たりません。

2017/11/07

ロースター異動まとめ(2017年11月)

● Baker監督退任, Dave Martinez監督就任 
ワールドシリーズを前にDusty Baker監督の退任が発表され、さらにシリーズ中にDave Martinez新監督の就任が明らかになりました(就任会見はシリーズ後)。

2年連続ぶっちぎりでの地区優勝は十分感謝しますが、2年連続でNLDS第5戦での敗退、しかも2年とも疑問の残る采配が絡んで1点差での敗退ということで、惜しいとは思いません。ただ、ワシントン移転後はくるくると監督が替わり過ぎてきたのも確かで、再契約でもありだと思っていました。まあ、結果は交代となりましたが、今回Dave Martinezと3年(4年目球団オプション)という比較的長い契約を結んだことは好印象です。

さて、新監督となったMartinezはニューヨーク・ブルックリン出身の53歳。名前の通りプエルトリコ系です。選手としては外野手で、1983年にドラフトでカブスに入団し、1986年にメジャーデビュー。以降、2001年に引退するまで15シーズンにわたり9球団でプレーしました(ナショナルズの前身であるエキスポスにも1988年から1991年まで在籍)。引退後は指導者の路を歩み、2008年から2014年はJoe Maddon監督の下でレイズのベンチコーチとして、そして2015年からはMaddon監督とともにカブスに移籍してベンチコーチを務めてきました。つまり、指導者としての師匠はJoe Maddonということになります。この間、複数球団の監督候補として名前が挙がりましたが縁がなく、今回(おそらくは)念願叶っての監督就任となりました。

新人監督とはいえ、Bryce HarperとDaniel MurphyのFA前最終年となる来季を逃すとかなり戦力が苦しくなるのは確実で、来季はいきなりプレッシャーがかかるはず。しっかりお願いします。


● FA退団, Matt Wietersは選手オプションを行使して残留 
以下の12選手が契約満了によりFAとして退団しました。Jayson Werthの退団については長い記事を書きたい気持ちもあり、実際シーズン中に書きかけたものもあるのですが、完成させるほどの気力がないので断念します。

Jayson Werth, OF 
遂に7年契約を満了しました。故障も含め、数字だけ見ればほぼ契約当初に想定していたとおりという感じですが、何よりもナショナルズという球団への(FA)選手からのイメージを変えてくれたことは現在の常勝軍団の構築に大きく影響しました。このほか、ベンチでのリーダーシップも高く評価されており、数字に表れにないところで大いにチームに貢献してたことも事実。このまま引退してナショナルズ球団に残ればいいのではないかと思いますが、さて。え?NLDS第5戦の守備?ええまあ。

Adam Lind, 1B/OF 
来季オプションを球団が破棄したため退団が決定。500万ドルは控え野手には高額ということでしょうが、思った以上に難しい判断となりました。判断を難しくした理由は今季のLindの活躍。代打としての4本塁打はメジャー最多。来季はレギュラーとして活躍できる球団に行けるといいですね。

Jose Lobaton, C
控え捕手として4シーズン在籍。守備は良く、ベンチでのムードメーカーとしての役割も果たしていたようですが、いかんせん打てませんでした。特に今年は.170/.248/.277という惨憺たる数字。33歳という年齢も考えると再契約は考えにくく、他球団でもメジャー契約が得られるかどうかは分かりません。

Stephen Drew, INF 
控え内野手として2シーズン在籍。今季は4月に右ハムストリングを痛めてDL入り、復帰したものの7月に今度は脇腹を痛めて再びDL入りとなり、そのままシーズン終了。35歳。故障が多いことも考えると、なかなかメジャー契約を得るのは難しいでしょう。

Matt Albers, RHP
今シーズンの最大の掘り出し物となった中継ぎ投手。スプリングトレーニング招待選手で開幕こそSyracuse(AAA)で迎えましたが、すぐにメジャーに昇格すると、以降シーズン終了まで安定したピッチングを続け、終わってみれば防御率1.62、WHIP0.85という素晴らしい数字。シーズンを通して投げ唯一のブルペン投手となりました。35歳という年齢なので大型複数年とはいかないでしょうが、メジャー契約を得ることは難しくないでしょう。ナショナルズとの再契約は・・・あるとすれば早いタイミングでしょう。

Oliver Perez, LHP 
2年契約を満了。対左打者用の左腕としては、今シーズンも73打席でOPS.665、1本塁打に抑えるなど、しっかり仕事をしました。ナショナルズにはSammy Solis、Enny Romero、Matt Graceとメジャーのブルペンに入る左腕がそろっているので再契約はなさそうですが、対左打者用の左腕には一定の需要があるのでどこかと契約できるのでははいかと見ています。

Joe Blanton, RHP 
2月に1年契約を結んだ時点で少し予想していましたが、外れのFA契約となりました。シーズンを通じて安定せず、シーズン防御率は5.68。NLDSのロースターに入れませんでした。37歳。引退かな。

Brandon Kintzler, RHP 
夏のブルペン大改造に際してツインズから加入。ツインズではクローザーを務めていたが、ナショナルズではセットアッパー(もっぱら7回担当)として貢献。契約が残っていて残留するRyan MadsonとSean Doolittle、あるいはKoda Gloverとは違った軟投タイプの投手であり、再契約が理想ですが、本人はクローザーとして契約できるところを探すと思われます。

Edwin Jackson, RHP 
7月にJoe RossがTJ手術でシーズン絶望となった後のローテーションを埋めてくれたのがJackson。8月後半以降は疲れからか成績を落としましたが、よく貢献してくれました。既に12球団を渡り歩いてきましたが、まだ34歳。今年の成績を考えれば、13球団目は十分ありそうです。

Howie Kendrick, INF/OF 
フラッグディールトレードでフィリーズから移籍してきてから、故障者が続出したチームの穴を実によく埋めてくれました。ナショナルズでの成績は打率.293、OPS .837という素晴らしいものでした。年齢的に来季も控え野手でしょうから、ナショナルズと再契約してくれる可能性もあると思います。

Ryan Raburn, OF 
5月にホワイトソックスからマイナーリーガーとして金銭トレードで獲得。ナショナルズ外野陣の度重なる故障によりメジャーに昇格すると、14試合の先発を含む25試合で.261/.304/.431とまずまず活躍したが、不運にも7月にDL入りしてそのままシーズン終了となってしまいました。来季はあってもマイナー契約でしょう。

Alejandro De Aza, OF 
未契約のまま開幕していたところ6月にマイナー契約。やはり外野陣の故障の余波で8月にメジャー昇格。以降、最低限の控え外野手として貢献してくれました。こちらも来季はマイナー契約かな。

なお、Matt Wietersは1年1050万ドルの選手オプションを行使して残留を選択。打撃・守備成績の低下からFA市場に出てもこれ以上の契約が得られる見込みはなかったことからこの選択は予想されていましたが、ポストシーズンでの戦犯となったプレーの記憶も新しいところ、ファンからは非難囂々。これを黙らせる活躍が求められます。

2017/11/06

Prospect Profile #28: Andrew Stevenson

[2017年11月最終更新, 2016年10月オリジナル]

続いて、やはり2016年のMy Top 10 Prospects の1人でもある、2015年ドラフト最上位指名(2順目)のAndrew Stevenson外野手。

[Player Data]
Name: Andrew Stevenson
Position: OF (CF)
Born: June 1, 1994
Birthplace: Lafayette, Louisiana
School: Louisiana State
Height: 6-0
Weight: 185
Bats: Left
Throws: Left
Draft: 2015-2 WAS
Acquired: Draft (2015)
BA Organization Rank: 8(2016) ⇒ 5(2017) 
BA Overall Rank: NA

[Scouting Report]
何と言っても高い評価を得ているのはセンターの守備力。肩はそれほどではないが、読みの良さ、反応の速さ、そして俊足で、とにかく広い守備範囲を誇る。俊足は当然ながら盗塁・走塁での高評価につながっている。やはり俊足を活かして安打を稼ぐコンタクトヒッター。パワーはない。将来的には「1番センター」が期待される。いつもエネルギー全開でプレーするスタイルで周囲を鼓舞する姿勢も高い評価を受けている。

[Background]
高校時代は全くの無名でドラフトにはかからず。ルイジアナ州立大の2年時から打撃に目覚めて評価を上げ、元々評価の高かった守備・走塁もあって主力となり、3年時にの2015年はチームのカレッジ・ワールドシリーズ進出に貢献。2015年ドラフト2順目(全体58位)でナショナルズが指名(Max ScherzerとFA契約したため1順目指名権を失っており、Stevensonがこのドラフトの最上位指名)。

カレッジ・ワールドシリーズが終わってからの契約となったが、Auburn(SS)に合流して18試合で.361/.413/.431と結果を残し、7月末にはHagerstown(A)に昇格。そこでも35試合で.285/.338/.358と最低限の適応を見せた。合計で1本塁打、23盗塁。シーズン後、2016年1月に発表されたMLB.comのJonathan Mayoによる守備力だけで評価したベスト・プロスペクトリストの外野手部門にツインズのByron Buxton、カブスのAlbert Almoraとともに選ばれている。

2016年はHagerstownからスタートが予想されたが、Potomac(A+)で開幕。開幕から11試合連続安打を記録するなどとにかく打ちまくり、A+の投手を圧倒。6月に開催されたCarolina-Californiaのオールスター戦でも5打数3安打2打点の活躍でMVPを受賞。その週には週間MVPも受賞。68試合で.304/.359/.418、27盗塁の堂々たる成績を引っ提げて、6月末にHarrisburg(AA)に昇格。昇格後はやや苦しみ、65試合で.246/.302/.328、12盗塁の成績に終わったが、プロ2年目でAAに到達したことは評価できる。オフにはアリゾナ秋季リーグにも参加

2017年はHarrisburgで開幕。20試合に出場して.350/.429/.438としっかり打ち込み、早々にSyracuse(AAA)に昇格。しばらくは結果が出なかったが、6月に入ると徐々に打ち始め、AAAのオールスターにも出場。そして、故障者続出というチーム事情もあって7月23日には初のメジャー昇格を達成した。ただ、代打や守備固めという起用では結果を残せず、故障者が戻ってくるとAAAに戻されてしまった。セプテンバーコールアップで再度昇格したがやはり適応に苦しみ、37試合66打席で.158/.250/.193、20三振。ポストシーズンのロースター入りはならなかった。

[Comment]
結果が出なくても使ってもらえ、そのうちに適応することができたマイナーとは異なり、メジャーでは出場機会が限られる中で結果を残さなければ使ってもらないままです。来シーズン、何度かは与えられるであろうチャンスで結果を出し、「ポストシーズンで機動力・守備力で貢献できるスーパーサブ」となってくれることを期待しています。(2017年11月)

ドラフト時には全く期待していなかったので、守備面だけでなく打撃面でも好成績を残していることは嬉しい誤算。金髪のロングヘアーで常にエネルギー全開というプレー・スタイルでオールスター戦でのMVPを受賞してしまうところなど、数字には表れないものを「持っている」選手なのかもしれません。長打力がこれだけないとメジャーのレギュラーを獲るのは難しいと予想しますが、この予想も裏切ってくれることを期待します。(2016年10月)

2017/11/03

BA: 2018 Nationals Top 10 Prospects

ワールドシリーズが終わりました。伝説的な第5戦をはじめとした好ゲーム続きで、一野球ファンとして大いに楽しませて頂きました。結果、アストロズが球団創設56年目にして初のワールドシリーズ制覇。アストロズファンの皆さま、おめでとうございます。 ドジャーズファンとしては最後はちょっとあれだったと思いますが。

ということで、オフが始まりましたので、当ブログもぼちぼち更新していこうと思います。

まずは、Baseball Americaから発表されたナショナルズ組織内トップ10プロスペクト。今年はナ・リーグ東地区からということで随分早い発表となりました。

1. Victor Robles, OF 
2. Juan Soto, OF   
3. Erick Fedde, RHP 
4. Carter Kieboom, SS 
5. Seth Romero, LHP 
6. Luis Garcia, 2B/SS 
7. Wil Crowe, RHP 
8. Daniel Johnson, OF 
9. Raudy Read, C 
10. Yasel Antuna, SS/3B 

全体的にフレッシュな顔ぶれになったという印象。

トップはMLB全体でもトップ10にランクインすると見られるVictor Robles。9月にメジャーデビューし、NLDSでも代打・代走として出場しましたが、まだルーキーステータスを保っています。9月のプレーを見た限り、打撃は既にメジャーでやっていけそうでしたが、守備・走塁はもうちょっと学習・経験が必要かな、という印象。早ければ来季、遅くとも2019年にはレギュラーとして主軸を打っていることでしょう。

2位のJuan Sotoと4位のCarter Kieboomの2人は、2017年はともに故障で長期間離脱しましたが、出場すれば打てることは示し、評価はむしろ上がりました。来季はさらに上のランクで健康にしっかり結果を残してくれることを期待。

3位のErick Feddeもメジャーデビューを果たしましたが、定着することはできず(おそらくは不本意に)ルーキーステータスを残しました。来季は、先発投手として大成できるか正念場になりそうです。

5位のSeth Romeroと7位のWil Croweの2人は2017年ドラフト組からのランクイン。プロデビューではまずまずの結果を残し、来季真価が問われます。

6位Luis Garciaは17歳のデビューシーズンで前評判通りの結果を残して高く評価されました。10位のYasel AntunaもGarciaと同じドミニカ共和国出身の内野手で、Garciaより半年ほど年上。Garciaと同じ時期にGarciaを上回る380万ドルの契約金(球団史上最高額)で入団。GarciaとともにGCLでしっかり結果を残し、評価を上げました。

8位のDaniel Johnsonは2016年ドラフト5順目入団の外野手。今季はHagerstown(A)で開幕し、夏のオールスターに選出された後、Potomac(A+)に昇格。2チーム計で130試合に出場し、.298/.356/.505、22本塁打、22盗塁。NLDSに参加したRoblesの代役として送られたアリゾナ秋季リーグで更に評価を上げた。ナショナルズ傘下で今シーズン最も評価を上げた選手の1人でしょう。

一番のサプライズは9位のRaudy Readかもしれません。同年齢のPedro Severinoを上回る評価で捕手として唯一人ランクイン。マイナーでの打撃成績がSeverinoより上な点が評価されたのでしょうか。

Severino以外のランク洩れとしては、Andrew Stevensonがいます。個人的には2人ともかなり買っているのですが・・・。この他、BAの記事のよると、 Blake Perkins、Kelvin Gutierrez、Rafael Bautistaの3人も続いているようです。

2017/10/13

NLDS Game 5: なぜこうなるのか

L8-9 Cubs (Series 2-3)

またも失意のどん底でシーズンが終わりました。

Baker監督の采配やビデオ判定の制度についてなどいろいろ言いたいことはありますが、全く書く気になりません。過去3度はなんだかんだ言いながらも記事を書きましたが、今回は本当に無理。ちょっと立ち直れない感じ。

当分ブログの更新もお休みします(最低限のロースター異動情報くらいは更新するかも)。ご容赦ください。




2017/10/12

NLDS Game 4: Taylorの殊勲の満塁弾で最終戦へ

W5-0@CHC (Series 2-2)
Strasburg(W) 7.0IP 0ER 3H 2BB 12K
Taylor 1/3 HR BB R 4RBI
Turner 1/3 double 2BB R

さっさとアウトになればいいよ。1-0。8回表。1死走者なし。打者Ryan Zimmerman。そう思いながら見ていました。四球で出塁。余計なことを。牽制でセーフの判定にカブスがチャレンジ。止めてくれ。判定変更で2アウト。Daniel Murphy、早く凡退しよう。センター前へのシングル。カブスはピッチャー交代。あぁもう・・・。これで8回裏のマウンドにStephen Strasburgが上がることはなくなってしまった。

雨で試合が中止になった前日(火曜日)のプレスカンファレンスで、Baker監督が第4戦の先発はTanner Roarkと発言。中4日でStrasburgに投げさせることができるはずだ、風邪を引いているといいながら雨のグラウンドに出ていたのはなぜだ、といった論争・騒動を起こしましたが、蓋を開けてみればStrasburgが先発。朝の体調を見て最終的に判断したとのことですが、それなら未定と言っておけばいいのに。私は、(第3戦の記事のコメント欄にも書きましたが)Roarkが先発すればいいという意見でしたので、Roarkが気の毒に思うとともに、騒動の後で体調が不十分なStrasburgを先発させることに不安を感じていました。

ところが、そんな私の懐疑的な見方とは裏腹に、マウンドに上がったStrasburgのピッチングは実に素晴らしいものでした。脱帽です。2回1死からBen Zobristに二塁打を打たれたためノーヒッターは早々になくなりましたが、かえって緊張感がなくなって良かったのかもしれません。ランナーを出しても落ち着いたピッチングを続け、要所では三振を奪い、0を並べていきました。終盤に突入した7回裏には三者連続で三振を奪いましたが、特に興奮した様子を見せることもなく淡々とダッグアウトへ。この時点で106球。ジャケットを来て8回もマウンドへ上るべく戦況を見つめていました。

こういう状況で避けたいのは、無駄に長い攻撃です。特にこの試合は霧雨が降る寒いシカゴで行われており、味方の攻撃の間は休息というよりも体が冷えてしまう時間。カブス2番手のJon Lesterに5,6,7回と三者凡退=9人で抑えられたことも、この試合に限っては、Strasburgのテンポを乱さないという意味で悪くないと思って見ていました。8回表もさっさと終わればStrasburgが裏のマウンドに上がることができる。それが、ナショナルズが勝利する確率が最も高いはずだと思っていました。

ですから、カブスのピッチャーがLesterからCarl Edwards Jr.に交代することになり、ナショナルズのブルペンでRyan MadsonとOliver Perezがウォームアップしている様子を見た時は不安でいっぱいでした。この攻撃が無駄なものになってはならない。それではカブスに流れが行ってしまう。1点リードしているにも関わらず、なぜか追い詰められた気持ちでした。

そんな嫌な感じを全て吹き飛ばしてくれたのが、Michael Taylorの一発でした。吹き付ける雨風で手元がおぼつかない様子のEdwardsがAnthony Rendonと Matt Wietersを続けて歩かせ2死満塁。Taylorに対する初球も明らかなボール。ここでJoe Maddon監督がベンチを出て、クローザーのWade Davisを召喚。カウント1ボールから1球ファールの後のDavis 2球目、真ん中高めにきた速球をTaylorがコンパクトなスイングで叩くと打球は右中間へのフライボール。強い逆風を物ともせず打球は伸び、フェンスの最上部に設置されたネットに収まりました。満塁ホームラン。5-0。このシリーズに入って比較的いいスイングをしている印象のTaylorでしたから微かな期待はしていましたが、まさかホームランとは。喜びというよりは、驚きと、そしてほっとした声が思わず出てしまいました。

こうなればさすがにナショナルズの流れ。8回裏はMadsonが得点圏にランナーを進められながらも最後はAnthony Rizzoをセカンドゴロに打ち取って無失点(このシリーズ、得点圏にランナーを置いて打たれ続けていたRizzoを初めて凡退させた意味は大きい)。9回裏はSean Doolittleが全く危なげなく三者凡退で終了。

前日からの騒動を思うとよく勝ったな、というのが一番の感想。ともかくもシリーズを2勝2敗として、ナショナルズパークに戻ってくることになりました。

7回までの打線は相変わらず低調でしたが、朗報はTrea Turnerにようやくヒットが出たこと。3回表1死からレフトへ二塁打。その後ワイルドピッチで3塁へ進み、ZimmermanのショートゴロをAddison Russellがエラーする間に先制のホームイン。他2打席で歩き計3度出塁。盗塁こそ記録しませんでしたが、こうして塁に出てくれることで大きなプレッシャーを与えることができます。もう吹っ切れたでしょうから、第5戦でもしっかり塁に出てくれることを期待していいと思います。

MVP: Michael Taylor

明日はナイトゲーム。(日本時間)午前中は仕事のため見ることはできませんが、お昼頃から観戦しようと思っています。

2017/10/10

NLDS Game 3: Scherzer 6回ノーヒットでも敗戦

L1-2@CHC (Series 1-2)
Scherzer 6.1IP 1ER 1H 3BB 7K
Kintzler(L) 1.1IP 1ER 1BB 1K
Zimmerman 1/4 double RBI

第1戦の再現、とは言いたくありませんが、あまりにも似たパターンでの惜しい敗戦となりました。

7回まではわずかながらナショナルズの流れ。カブスのライトJason Heyward、センターJon Jayの好守に阻まれたとはいえ序盤はナショナルズがチャンスを作り、第2戦から持続する勢いを感じさせました。先発のMax Scherzerも、右ハムストリングへの不安から100球が上限とされていたこともあってガンガン三振を取るのではなくチェンジアップで凡打の山を築くピッチングでしたが、90球足らずで6イニングを無失点。そして、被安打は「0」。さすがにノーヒッターは期待していませんでしたが、カブス打者、シカゴのファンを沈黙させるには十分なパフォーマンス。

迎えた6回表には、2死からのKyle Schwarberによるレフトフライ落球(打者Daniel Murphyは3塁へ)の隙を逃さず、続くRyan Zimmermanが右中間へタイムリーツーベース。1-0。リグレーフィールドのスタンドを静まり返らせました。

残り3イニング。Scherzer、そしてブルペン陣が踏ん張り切って勝つイメージは出来上がっていました。

が、そう簡単にはいかないのがポストシーズンです。

7回裏、1死後にBen Zobristに左中間を破られる初ヒットを打たれたところで、Scherzerは降板。Baker監督の期待を背負って2番手Sammy Solisがマウンドに上がりましたが、代打Albert Almoraに左中間へライナーのタイムリーを打たれて同点。さらに8回裏、3番手のBrandon Kintzler先頭のTommy La Stellaを歩かせ、送りバントで2塁へ。Kris Bryantを空振り三振に仕留め2死2塁とし、左のAnthony Rizzoを迎えたところで右のKintzlerに変えて左のOliver Perezを投入。その初球、インコースへの速球で完全に詰まらせたポップフライに打ち取った・・・はず・・・が・・・ボールは無情にもレフト・センター・ショートの真ん中にポトリと落ち、カブスに勝ち越し点が入りました。よりによってこんな形で決勝点が入ることになるなんて、というため息しか漏れないプレーでした。

この7, 8回の攻防については、結果論と言われればそれまでですが、継投の失敗と言わざるを得ないでしょう。7回のScherzerの交代のタイミングは、予定に近い98球に達しており、左打者のSchwarberに対してSolisを起用して代打を出させたことで(Schwarberに汚名返上の機会を与えなかったという意味で)正解だったと思いますが、左に強いというデータのあるAlmoraの後が左に弱いというデータのあるJason Heywardだったので、Almoraと勝負しないという選択もあったのではないかと思ってしまいました(実際にはHeywardにもヒットを打たれましたが)。さらに、なお1死1,2塁のピンチでKintzlerにスイッチしましたが、ここも最初の打者Addison Russellに右中間にヒット性のライナーを打たれ、一瞬、万事休すかとひやりとしました(センターのMichael Taylorのファインプレーで1塁ランナーも戻れず併殺でイニング終了となりはしましたが)。そして、8回裏もPerezが出てきてやはり最初の打者Rizzoに決勝打を献上。出てきた3投手が全員、最初の打者に打たれる、という悪手の連続となってしまいました。

それでも、打線が何とかすれば十分勝てる試合だったはずですが、ヒットは6回のZimmermanのタイムリーが最後。7回以降は1人のランナーも出せず9人で終了。チーム3安打ではどうにもなりません。

一番のブレーキはTrea Turner。この日はいい当たりをカブスの好守に阻まれた打席もありましたが、12打席全て凡退(うち5三振)という事実は重い。シリーズ前に、カブスのバッテリーは盗塁阻止率が低く、ナショナルズがどれだけ足を絡めた攻撃ができるかが一つの鍵になるという分析を見ましたが、その中心となるべきTurnerがそもそも塁に出られないのでは話になりません。

明日は後のない第4戦。Turnerが塁に出て攻撃を引っ張ってくれることを願いましょう。