2015/04/29

ロースター異動まとめ (2015年4月)

4/1 Kevin Frandsenをリリース
4/13 Werthが復帰、Matt den DekkerをAAAにオプション
4/14 Rafael Martinが初昇格、Xavier CedenoをDFA
4/15 StammenがDL入り、Taylor Jordanを招集
4/16 Felipe Riveroが初昇格、JordanをAAAにオプション
4/19 Span復帰、Michael TaylorをAAAにオプション
4/22 RiveroがDL入り、Matt Graceが初昇格
4/28 A.J. Coleが初昇格、MartinをAAAにオプション
4/29 Reed JohnsonがDL入り、ColeをAAAにオプション、Michael TaylorとSammy Solisを昇格(Solisは初昇格)



●Kevin Frandsenをリリース
4月1日、Kevin Frandsenをリリースしました。40人ロースターに入っていて、内外野の多くのポジションを守れるユーティリティプレーヤーとして開幕ロースター入りは間違いないと思われていましたが、この春の35打数3安打(打率.086)という極度の打撃不振によりここで袂を分かつことになりました。

昨年のこの時期にフィリーズからカットされた後にナショナルズと契約し、地区優勝を飾ることになったシーズンに、ベンチプレーヤーの中では最も貢献してくれた功労者。まだ32歳。どこかでチャンスをもらえるといいですね。(追記:4月21日にDバックスとマイナー契約)


●Werthが復帰し、den DekkerがAAAへ
オフに右肩を手術した影響で出遅れたためにDL入りしていたものの、開幕からマイナーの試合で調整を続けていたJayson Werthが、4月13日に復帰しました。Potomac(A+)の試合ではホームランも打っており、ひとまずしっかり治ったことになっています。低調なナショナルズ打線にカツを入れてくれることを期待しています。

25人ロースター枠を空けるために、Matt den DekkerをSyracuse(AAA)にオプションしました。開幕後は2試合で代打出場して2打席とも凡退。ほかに2試合で守備固めに入りました。この程度で見限るには早過ぎますが、10打数ノーヒット中のTyler Mooreなどはオプションが残っておらず、他球団に奪われることなくマイナーに落とせるのが事実上den Dekkerしかいなかったということです。じきに機会が来るはず、その時にはしっかりご準備頂ければ。


●Rafael Martinが初昇格、Xavier CedenoをDFA
開幕からリードを守れないブルペンをテコ入れすべく、フロントが動きました。Rafael Martinを招集し、Xavier CedenoをDFA(追記:4月22日にドジャーズへ金銭トレード)。

4月1日までメジャーと帯同していたMartin。マイナーに送られる際に「シーズン中に呼ばれる可能性は大。」と書きました(この記事の4/2 追記部分)が、40人ロースターには入っておらず、まさかこれほど早いタイミングで呼ばれるとは思ってもいませんでした。もうすく31歳になろうというブルペン右腕。決してパワータイプではなく、武器は制球力と極めて高い評価を得ているスライダー。これでイニング数を上回る三振を奪い続けてきました。

Martinがここまでたどり着くにはかなり長い道のりがありました。カリフォルニア州出身ですが、一度もドラフトで指名されることはなく、道路工事の現場で働いたりしていたそうです。それでも野球への夢を諦めきれず、2007~2009年までの3シーズンはメキシコ独立リーグに参加して活躍し、トライアウトを経て2010年初めにナショナルズと契約した時点で既に25歳でした。2010、2011年にはAAやアリゾナ秋季リーグ順調に成績を残しましたが、AAAに昇格した2012年(肩)から2013年(ヒジ)には故障に苦しみ、一時は消えたかと思った時期もありました。それが一転、昨シーズンはAA、AAAで打者を圧倒する投球内容を続け、スプリングトレーニングへの招待を受けるほどに評価を高め、迎えたこの春、メジャーの打者相手でも通用することをしっかり示し、今回の初昇格につなげました。おめでとう!!![4/16 このパラだけ表現を少し修正しました。]

一方のCedenoは、2013年4月にアストロズからDFAされたところをウェイバー・クレームで獲得し、その後メジャーとマイナーを行ったり来たりしてきたブルペン左腕。今季はオプション切れだったことと、スプリングトレーニングでまずまずの成績を残したことから開幕ベンチ入りを果たしましたが、開幕後は2試合でリードを追いつかれる残念な投球が続いていました。開幕直前にJerry Blevinsをトレード放出してまで残した投手だっただけにこれだけ早いことは意外ですが、予想通りと言えば予想通り(笑)。

これで、左のブルペン投手はMatt Thornton1人だけとなりました。40人ロースターにいるMatt GraceとFelipe Riveroの両左腕を差し置いてMartinが先にメジャーデビューに至ったことは本当に意外ですが、この際、昨季のAaron Barrettのような活躍を期待しています。


●StammenがDL入り、Taylor Jordanを招集
ショックなニュースが入ってきました。ブルペン右腕のCraig Stammenが右ひじ痛でDL入り。代わって、Syracuse(AAA)からTaylor Jordanを招集しました。

Stammenによると、春先からひじに違和感を覚えていたそうですが、14日の試合で登板した際に限界を感じたとのこと。開幕から5試合(チーム8試合中)に登板して無失点と、乱調のブルペン陣にあって数少ない結果を残してる投手だっただけにチームとしても痛い離脱。状態ははっきりしませんが、MRI検査を受ける予定が組まれていることや本人のコメントなどから推察すると、TJ手術も視野に入っているようです。2005年ドラフト入団(Ryan Zimmermanと同期のナショナルズ1期生)で投手陣ではチーム最古参。2009年のデビュー以来、先発からブルペンへと役割が変わりながら、どんな役回りでも結果を残す縁の下の力持ちという感じの功労者でした。今季はTyler Clippardがいなくなったブルペンにあって中核的な役割を果たすことが期待されていただけに、なおのこと残念。長期契約を結んでいるわけでもなく年俸調停対象という立場であり、手術となったら来季の契約の保障はありません。なんとか手術を回避できることを願っています

(4/17追記 MRIの結果、やはり手術が必要とのことです。ナショナルズのユニフォームを着て復帰してくれることを心から待っています!)

呼ばれたJordanは本来は先発投手。今日がSyracuseでの先発予定日でしたが、スクラッチされての昇格。最近ブルペンが酷使される傾向があったため、長いイニングを任せられる投手を呼んだということかもしれません。とはいえ、スプリングトレーニングで好投して好印象を残していたからこその昇格。与えられた役割で頑張ってください。


●Felipe Riveroが初昇格、JordanをAAAにオプション
ここ数日は左腕が1人しかいないブルペンでしたが、左打者が多く並ぶフィリーズ打線との対戦に向けて、Felipe Riveroを加えました。Riveroにとってはメジャー初昇格。おめでとう!!

プロフィールについてはProspect Profileの記事を見て頂ければと思いますが、3月に更新した時点との違いは、AAAでもブルペン投手として起用され、メジャー昇格に向けて準備が進んでいたということ(追ってProspect Profileもアップデートします)。Martinには先を越されましたが、予想通り早い時期のメジャー昇格。勢いのあるブルペン左腕としてこのまま一気に定着してくれることを期待しています。

代わって前日昇格したばかりのJordanをSyracuse(AAA)にオプションしました。登板機会はないまま。今季はこんな感じの扱いをされてしまうのかなあ。。。めげずに頑張ってください。


●Span復帰、Michael TaylorをAAAにオプション
スプリングトレーニング中に体幹の筋肉を痛めて手術を受け、リハビリに取り組んできたDenard SpanがDLから復帰。当初は4月中の復帰は難しいだろうと言われていたことからすると、予想以上に早い回復となりました。リードオフヒッターの復帰は、開幕から得点力不足に悩んできた(ここ数試合は調子が戻っていましたが)打線にとって大きな朗報。また、Michael Taylorが不安を露呈していたセンター守備でも、安定感のあるSpanが入ることへの期待は大です。また、本人にとってもFA前の大事なシーズン。頑張ってくれることを願います。

Spanの復帰により、左からWerth-Span-Harperという当初想定されていた外野の陣容がようやくそろいました。

開幕からセンターでフル出場してきたMichael TaylorがSyracuse(AAA)にオプションされました。51打席で.271/.314/.500、2本塁打8打点とバットで結果を残していましたが、Spanの復帰により先発出場の機会を失うことは仕方ありません。メジャーのベンチを温めるのではなく、マイナーとはいえ常時出場する中でセンター守備と選球眼の向上に取り組み、次の昇格機会(もしかすると今季はないかもしれませんが)に備えることが、長期的にはチームのためにも本人のためにもなるというのがフロントの判断。ベンチに置いておけばピンチランナーとして有用だったろうにと思いますが、来季以降に向けての戦略的な動きとして納得はできます。AAAでは、センター守備の向上、打席での三振数の減・四球数の増が目標となりそうです。頑張ってください。


●RiveroがDL入り、Matt Graceが初昇格
17日にメジャーデビューを果たしたばかりのFelipe Riveroが胃腸出血(gastrointestinal bleeding)のためDL入りしてしまいました。緊張からのストレスでしょうか?詳細はよく分かりませんが、ヒジや肩でなかったのでほっとしています。

代わって、Syracuse(AAA)から同じブルペン左腕のMatt Graceがこちらも初のメジャー昇格。オフに40人ロースター入りし、スプリングトレーニングでも好投、評価を上げていたので時間の問題だとは思っていましたが、故障者続出のブルペンとあって早々に機会を得ることになりました。ブルペンのデプスは十分だと思っていましたが、さすがに底をつきそうな勢いで消費してしまっています。そろそろCasey Janssenあたりが戻ってきてくれるといいのですが。


●A.J. Coleが初昇格、MartinをAAAにオプション
前回登板した23日の試合での打席で詰まらされた際に右手親指を痛めたMax Scherzerが予定されていた28日の登板を回避することとなり、Syracuse(AAA)からA.J. Coleが招集されました。Coleにとっては初のメジャー昇格。

経歴などはProspect Profileの記事をご参照いただければと思いますが、23歳の本格派右腕。超期待のプロスペクトです。今季はスプリングトレーニングで好投し、開幕後はSyracuseのローテーション投手として3試合計15イニングで2.40/1.27、10奪三振に対して1四球と安定した投球を続け、今回の昇格につなげました。6連敗中とチーム状態が最悪の中でのデビューというのは荷が重い気もしますが、チャンスはチャンス。頑張ってくれることでしょう。

ロースタースポットを空けるためRafael MartinがAAAに送り返されました。メジャーデビューから4試合計5イニングを投げて、3本のホームランを含む5失点と結果を残せませんでした。また、チャンスはあるはず。めげずに頑張ってください。


●Reed JohnsonがDL入り、ColeをAAAにオプション、Michael TaylorとSammy Solisを昇格(Solisは初昇格)
ベテランの控え野手Reed JohnsonがDL入り。28日の大逆転勝利の試合で7回に代打で登場し、一時11-10の1点差に迫るタイムリー二塁打を打ちましたが、その後、牽制帰塁の際に左のふくらはぎを痛めて途中退場していました。少し長引くだろうという診断です。外野陣の相次ぐ故障もあって開幕直前に契約しましたが、代打として8度起用されながら28日のヒットが初めての出塁と結果も残していませんでしたので、そろそろ潮時だったのかもしれません。

28日の試合で先発したA.J. ColeをSyracuse(AAA)にオプション。打たれたことは関係なく、Max Scherzerの右手のケガの回復が順調で次回登板は可能と判明したことでお役御免となりました。次の機会はきっとあるはず。あれだけ打ち込まれるとメンタルで影響を受けていないか心配ですが、しっかり立てなおして下さい。

で、それぞれ空いたスポットにMichael TaylorSammy Solisが招集されました。Taylorは先日、Denard Spanの復帰に伴いAAAに降格となっていましたが、8試合32打席で.385/.452/.538、1本塁打と格が違うことを見せつけていました。Williams監督は、週の2度程度は、SpanとJayson Werthを休ませてTaylorを先発させる予定と話しています。

驚いたのは、Solisの昇格。2010年ドラフト2順目の元トッププロスペクトですが、2012年のTJ手術を含む相次ぐ故障で、近年、フルシーズン満足に働けたことがないまま26歳となっていました(プロスペクトとしての価値もすっかり下がりきっており、かろうじてBAトップ30に顔を出す程度)。今春も調整不足で、40人ロースターに入りながらスプリングトレーニングでは2試合に投げただけで出遅れ、ようやく先日Harrisburg(AA)に合流して3試合に投げたばかり。未だにAAAの経験さえありませんでした。これがある種最後の機会かもしれません。せっかく機会をもらったんだから頑張ってください。

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