2013/02/22

2013 ST Outlook 4 (先発投手)

(2月22日追記)
33歳のベテラン右腕、Chris Youngとマイナー契約。メジャー通算53勝、パドレス時代の2007年にはオールスターにも選らばれた実績の持ち主。ここ数年は肩の故障に苦しんできましたが、メッツに所属した昨年は6月に復帰してシーズン終了まで投げ切り、20試合に先発。特に9月は5試合で防御率2.73といい形で終えていました。

まずは故障の懸念なくしっかり投げられることを示してくれる必要がありますが、Christian Garciaが右腕の痛みで出遅れていることもあり、層を厚くするという観点からは理想的な契約。なお、開幕メジャーロースター入りできなかった場合はFAとなる権利を持っているようです。実績から言えば仕方ないかな。

同じくマイナー契約のRoss Ohlendorfとはプリンストン大の同窓。

++++++++++++++++++++++
(2月12日オリジナル)
いよいよ今日が投手・捕手の集合日。なんとか、間に合いました。ふぅ。

●オフの動き
[退団]
Edwin Jackson(FA)
John Lannan(non-tender FA)
Chien Ming Wang(FA)
[入団]
Dan Haren(FA)

計42試合に先発したEdwin JacksonJohn LannanChien Ming Wangが抜けたのに対し、40人ロースターに補強したのはDan Harenのみ。故障懸念でマーケットが育たない実績がある投手を1年契約で獲得したRizzo GMの手腕は評価していいと思います。

そして1月31日、Gio Gonzalezが禁止薬物を使用していたかもしれないという疑惑が浮上。まだクロと決まったわけではありませんが、雑音であることは確か。ワールドシリーズ制覇に向けていよいよという時に残念なニュース。今後の進展は嫌でもチェックせざるを得ません。(当初報道された5人以外にもRyan Braunなどの名前が顧客リストにあったという情報があったくらいで、Gioに関しては大きな進展は見せていません。)

そのGioが、2月9日、WBC米国代表への参加を表明。当然無関係だと言うでしょうが、薬物疑惑は潔白であるとのアピールの延長のように感じます。うーむ。

Gioの動向はともかく、6人目の先発投手がシーズンのいずれかのタイミングで必要となることは確実。ですが、今のところ、ブルペン投手からの転向(再転向)組とマイナー契約招待選手でまかなう方針のようです。ローテーションがほぼ確定していては交渉しても首を立てに振ってもらえないことは理解できますが、せめてマイナー契約でもう1枚くらいカードを増やしておいて欲しかった。この層の薄さがチームのアキレス腱になるのではと少し心配です。

●スプリングトレーニングの見所
[40人ロースター]
Stephen Strasburg
Gio Gonzalez
Jordan Zimmermann
Dan Haren
Ross Detwiler
Christian Garcia
Zach Duke
Yunesky Maya
Ryan Perry
Matt Purke
Nathan Karns
[マイナー契約招待選手]
Ross Ohlendorf
Tanner Roark

Chris Young (2/22追記)

Stephen StrasburgJordan ZimmermannRoss Detwiler、Harenの4人は健康に過ごしてくれれば確定。気になるのはHarenの状態。1月のインタビューでは「全く問題ない」とコメントを残していますが、この時期のコメントはあてになりません。この4人に「出場停止処分を受けなければ」というもう1つの条件が加わるGioを加えて、先発ローテーションはひとまず確定しています。処分の判断がいつ下されるか分からないので、まずは順調に仕上げてくれることを期待するよりありません。

もう1人、25人ロースター入りが確実なのがZach Duke。ただし、基本はブルペン投手として。昨季もAAAで先発投手としてInternational Leagueの最多勝を記録するなどキャリアの大半を先発投手として過ごしてきましたが、昨年9月にナショナルズに呼ばれてからはロングリリーフとして結果を残し、オフにブルペン投手となることを前提として再契約。経歴から言ってスポットスターターとしても期待されます。

大きな話題となっているのが、Christian Garciaの先発再転向。元々ヤンキース傘下では先発投手として期待されていましたが、2度のTJ手術を経て2011年にナショナルズと契約してからはブルペン投手として育成。昨季はAA、AAAでクローザーとして結果を残した後、9月にメジャーデビュー。13試合の登板でJohnson監督を含む首脳陣から高い評価を受け、NLDSでも2試合に登板させてもらいました。このままブルペン投手としてメジャーに定着させてもいいはずですが、Johnson監督の提案により、この春は先発投手に再挑戦することになるようです。昨季の投球を見ていた首脳陣から、速球、カーブに加え、チェンジアップも十分に勝負球として使えると高く評価され「ブルペン投手にはもったいないから」という前向きな理由で説明されていますが、マイナー上位の先発投手の層の薄さ、オプションの都合といったチーム事情によるものではないかと勘繰ることもできます。苦労の末に27歳でようやくメジャーに到達したというのに、もし先発再転向となるとまたAAAに逆戻り。個人的には同意しない人事です。もちろん、心から応援していますが。

もう1人、ブルペンからの転向に挑戦しているのがRyan Perry。こちらは再転向ではなく大学時代からブルペン投手だったので初の転向。昨季途中にチャレンジを開始し、AAで13試合に先発して防御率2.84と好投したことで可能性を見出しましたが、アリゾナ秋季リーグでは7試合で防御率5.47と打ち込まれました。オプションの有無がよく分からないのですが、26歳、ほぼラストチャレンジでしょう。

やはり26歳で、40人ロースターの枠外ながらキャンプに呼ばれたTanner Roark2010年夏のトレードでCristian Guzmanの対価としてレンジャーズから来たうちの1人)も面白い存在。昨季、AAAのローテーションをフルシーズン守って防御率4.39とまずまずの成績を残したことが評価されての今回のキャンプ参加。6人目の先発投手として呼ばれる(メジャーデビューできる)可能性を高める投球ができるでしょうか。

唯一のマイナー契約での補強となった先発投手Ross Ohlendorfは、プリンストン大の学位を持っていることで有名(卒論のテーマは1989-1993年のMLBドラフト結果の経営学的分析だそうです)。パイレーツ時代の2009年に11勝を記録しましたが、その後は主に肩の故障に悩まされて低迷。昨季はパドレスで13試合に登板(9先発)も防御率7.77。既に30歳。正直なところ期待感はありません。

若手では、肩の故障からの回復具合が注目されるMatt Purkeと、昨季の大躍進で40人ロースター入りを果したNathan Karnsがどんな結果を残すかに注目。さすがにまだロースター争いをすることはないでしょうが、将来に向けた足場を築いてくれることを期待しています。

Yunesky Mayaについては・・・・今季が4年契約の最終年です。

最後のイシューは、補強がこれで終わりかどうか。Gioの件が出てくる前からJavier Vazquezに関心を持っているという話が聞こえていました。が、今日現在は軽い膝の故障で休んでいる上、そもそもWorld Baseball Classic でプエルトリコ代表としてプレーしてから(つまり、評価を上げてから)しかどことも契約しないと明言していたので、早くても3月半ばまでは動きがないはず。それまでにGioへの処分が課される可能性が高くなっていれば、本気でVazquezと契約しにいくのではないか(いって欲しい)と思います。なお、Kyle Lohseが未だFA市場に残っていますが、個人的には歓迎しません。

【開幕予想】
Strasburg, Gio, Zimmermann, Detwiler, Haren

嫌疑不十分でGioへの処分はなし。予定通りの5人で開幕することはできると予想します。Garciaはまずまずの結果を残し、先発投手として調整するためにAAにオプション。(可能性は高くないと信じていますが、Gioが開幕から出場停止処分を受けるようであれば、代役はJavier Vazquezと予想します。)

0 件のコメント: