2013/02/11

2013 ST Outlook 3 (ブルペン)

続いて、大きなサプライズがあったブルペン編。(Will Ohmanとのマイナー契約を踏まえて更新しました。)

●オフの動き
[退団]
Sean Burnett(FA)
Michael Gonzalez(FA)
Tom Gorzelanny(non-tender FA)
[入団]
Rafael Soriano(FA)

上記の3人にZach Dukeを加えた4人の左投手がFAとなり、Dukeと再契約したものの、あとの3人は退団。実績のある3人だったので残念。何人かのFA投手に関心を示しているとの噂もありましたが契約することはなく、このまま補強なしで終わりでは厳しいなあと思っていたところ、1月になってSorianoと契約。メジャー契約で左投手の補強はなかった代わりに、マイナー契約招待選手には左投手が並んでいます。

●スプリングトレーニングの見所
[40人ロースター]
Drew Storen (R)
Tyler Clippard (R)
Rafael Soriano (R)
Ryan Mattheus (R)
Craig Stammen (R)
Henry Rodriguez (R)
Zach Duke (L)
Christian Garcia (R)
Ryan Perry (R)
Cole Kimball (R)
Erik Davis (R)
[マイナー契約招待選手]
Fernando Abad (L)
Jeremy Accardo (R)
Bill Bray (L)

Brandon Mann (L)
Patrick McCoy (L)
Will Ohman (L)

個人的に最も応援しているのがCole Kimball(ブログ右上の自己紹介部分を参照)。肩の大手術からリハビリを続け、何とか昨季の最終盤に実戦復帰。アリゾナ秋季リーグでも調整登板。本格復帰までにはさらなるリハビリが必要で、さすがに開幕ブルペン入りはないと思いますが、メジャーデビューへの足がかりを築いた2011年のキャンプの再現を期待しています。

さて。

一昨年43セーブを記録し、昨季も9月後半からポストシーズンにかけてクローザーとして実績を残したDrew Store(忘れもしないあのセーブ失敗がありましたが)。昨季Storenが故障で離脱している間に32セーブを記録したTyler Clippard(9月に入って疲れを見せ、Storenに地位を明け渡しましたが)。そして、昨季ヤンキースで42セーブを記録したRafael Soriano。クローザーとしての実績十分の投手を3人もそろえて役割をどうするのかなと思いましたが、Sorianoとの契約後のフロントの説明、当事者たちのコメントを聞いていると、「クローザーはSoriano。あとの2人がセットアッパー」で決まりのようです。といっても3人がそろって健康に調整してくれることが前提。特にClippardは3年連続70試合以上登板を果たした後だけに、慎重に調整を進めてくれることを期待します。

今季は開幕直後から5人でローテーションを回す必要があるので、ブルペン投手は7人。上記クローザー3人に加えて、昨季の実績からRyan MattheusCraig Stammen、それにロングリリーフ兼スポットスタート要員として起用されるDukeまでが決まり。これで6人。

残り1席をめぐって実に9人が争うことになります。

9人の中で最有力と言わざるを得ないのがHenry Rodriguez (H-Rod)。なぜなら、例によってオプションがないため。25人ロースターに残る投球をしなければ、DL入りか、DFAされるしか道がありません。スプリングトレーニングで素晴らしい内容・結果を残し、開幕からクローザーとして起用されることになった昨季を再現できるかどうか。個人的には、イライラ、ハラハラさせられるのはもうコリゴリなのでDFAでいいです・・・。

Christian GarciaRyan Perryはむしろ先発投手として調整させられ、状況が良くても悪くてもマイナーでの開幕が予想されます。ただし、Garciaはブルペン投手としての評価は獲得しているので、上記の6人に故障があった場合には、その時点からブルペン投手として調整させられるかもしれませんが。その役回りがPerryになる可能性も少し。

またルール5ドラフトを前に40人ロースターに加わったErik Davisと、まだ24歳と若いPatrick McCoyは経験を積む程度だと予想されています。予想を裏切るような好投を期待したいところですが、仮に好投しても、オプションやらマイナー契約のベテラン選手の処遇やらで開幕はマイナーかな。

ということで、H-Rodがダメだった場合は、5人のベテランマイナー契約投手から誰が生き残るかという争いが中心になるはず。中でも注目はBill Bray。元々はエキスポスとしての最後のドラフトとなった2004年ドラフト1順目で入団し、2006年にナショナルズでメジャーデビューした投手。2006年シーズン途中に、 Austin Kearns、Felipe Lopez、Ryan Wagnerとの大型トレードでレッズに送られた5人のうちの1人。その後レッズでブルペン投手としてのキャリアを積んできましたが、故障もあって昨季は14試合の登板にとどまり、オフに放出されていました。2008年と2011年にはそれぞれ60試合以上に登板して防御率2点台という好成績を残しており、健康ならそれなりに活躍できるはず。左腕がいないブルペン事情もあって、期待されています。

●開幕予想
Soriano, Storen, Clippard, Mattheus, Stammen, Duke, Bray

当確の6人は健康なスプリングトレーニングを過ごし、「クローザーはSoriano。あとの2人がセットアッパー」の予定通りで開幕。H-Rodは制球難を克服できず、開幕一週間前にDFA。ウェイバーでアストロズに移籍。最後のスポットはしっかり結果を残したBrayが獲得と予想します。

6 件のコメント:

有明ハーパー さんのコメント...

すいません。質問いいですか?
DLって制度上の制限というのはあるんですか?
例えば、H-rodの場合はDLよりDFAにするメリット
とは何でしょうか?
もし制限がないのなら何時かはノーコンが治るかもしれないのでDLに留めといたほうが利口な考えだと思います。もしかして給料の問題ですか?
誰か分かる人教えてください。

estoppel さんのコメント...

思い付く範囲で回答します。

・DLとは文字通り故障者リストです。故障者でなければ入れることはできません。それが制度上の制限です。単に調整遅れ、不振なだけなのか、本当に故障しているのか微妙なケースもありますが、それは実質的な問題で制度上の制限とは言いませんね。

・DL入りの選手がマイナーで投げられるリハビリ登板は15日間(うろ覚えなので違ったかも。でもとにかく一定の期間です)と決まっているので、その期間が過ぎたら、メジャーに復帰させるかDFAするか決める必要があります。

・給与については、DL入りしていても払われるのに対して、開幕前にDFAすると最低限しか払われません(開幕後なら全額支払い義務が生じます)。といってもH-Rodの場合はまだメジャー最低年俸($500K)なので、あまり大きな考慮要因ではないはずです。

・15日DLの場合は40人ロースターの枠を食いますが、DFAすれば40人ロースターの枠を空けることができます。開幕直前にマイナー契約選手をメジャー登録するために枠を空ける必要が生じることはままあります。60日DLなら40人ロースターを空けることはできますが、手術を要するような大きな故障がない限り、5月末まではメジャーに上げられない60日DL入りするとは現実的に考えられません。

有明ハーパー さんのコメント...

回答ありがとうございます。

読んでいて、更に色々な疑問が沸くのですが。
15日DLを間髪空けずに連続で繰り返すというのは可能ですか?これが、もし可能なら25rosterの
抜け道が作れそうな気がします。医者の診断書
はどうにでもなるという仮定ですが。

例えば、実質30人を25rosterに登録してオプション切れしているがDFAにしたくない5人をDLにして、必要になりそうなになったらDL解除すれば問題なさそうですよね?

関連になると思いますが、トミージョンで1年間の全休の場合等は60日以上のDLが必要だと思いますが、その場合は60日DLを連続で間髪空けずに
使っているのでしょうか?






estoppel さんのコメント...

前者は、制度については調べていませんが、そんな扱いは選手が受け入れないでしょう。他球団に移ってメジャーで活躍できると自信があれば、虚偽の診断だと主張するに決まってます。

後者ですが、15日DLも60日DLも、その日数の間はメジャーに復帰できないというだけのルールですから、それぞれ15日、60日を超えてそのままずっと入っていることは問題ありません。(リハビリ登板さえ開始しなければ。)

有明ハーパー さんのコメント...

回答ありがとうございます。
なるほど、選手の方が受け入れないですか。
選手の方の視点がなかったですね。
MLBは選手会が強いですしありえないですね。

DLの考え方は〜の期間は出れないということだったのですか。知らなかったです。

ふと思ったのですが、Zimmermannがトミージョンして投げられない期間が在りましたが、一度25−rosterから外してDL入りすれば、登録日数の関係で年俸調停が去年からでなく今年からになったと思うのですが。

どうなのでしょうか?球団の温情なのかオプションを消費したくなかったのか。
それにしてもルールが難しいです。

estoppel さんのコメント...

そうですね。難しいというか、そもそもルールがウェブ上にきちんとした形で公開されていないというのが痛いです。あちこちで書かれているものを複数読んで、正しいらしいと信じられるもので理解しています。
MLB機構がちゃんと公開してくれればこんなことにはならないのに。何か理由があるのかな。