2013/01/08

LaRocheと再契約

昨シーズン終了後FAとなっていたAdam LaRocheと再契約に合意しました。2年2400万ドル(2013年1000万ドル、2014年1200万ドル、2015年相互オプション1500万ドル・球団側破棄の場合200万ドル)。

双方とも再契約に前向きと言われながら、3年契約を望むLaRocheと2年契約を譲らなかった球団との間で着地点が見つけられないまま時間が経過。その間に、関心を持っていたとされる他球団が補強を済ませ、気が付けばLaRocheに選択肢はなくなっていました。というか、FA市場の推移から明らかになってきたようにどの球団もドラフト指名権を喪失することひどく恐れている中、そもそも契約をオファーした球団があったかかどうかさえ疑わしい状況。結局、12月のウィンター・ミーティングの際に球団が提示したオファーを、LaRocheが全面的に飲む形での合意となりました。このオフの相場からすると、2年2400万ドルは格安。それだけ、ドラフト指名権が市場価値を下げたということです。

これにより内野陣は昨季と同じメンバーで開幕を迎えることになりました。LaRocheと再契約しなければMicheal Morseがファーストに入ると目されていましたが、それに比べると、守備は明らかに上。というか30球団でもトップクラスの鉄壁でしょう。打撃の数字は大きく変わらないかもしれませんが、右打者のMorseよりも左打者のLaRocheが入るほうが打線のバランスが良くなるというメリットがあります。総じて戦力アップになったことは間違いありません。

しかし、これで浮くことになるのがMorse。さっそくトレードの噂が駆け巡っています(NYY、SEA、BALなど)。戦力の観点からは仕方ないと理解できます。本人のためにはトレードされるほうが出場機会が増えていいのかもしれません。ですが、個人的にかなりお気に入りの選手だったので、本当にトレードされることとなったら、とてもとてもとても残念に思うことでしょう。いつ故障者が出るかも分からないので、少なくともスプリングトレーニングの後半までは置いておいてもいいと思うのですが・・・・(でも似たタイプで若いTyler Mooreもいるですよね)。なんだか昨年のLannanの状況に似ています。

13 件のコメント:

ララ さんのコメント...

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたしますm(_ _)m

LaRoche決まりましたね~。ただ3年目のオプションは相互で$15Mですか?相互でプレイヤーオプション側の数字が高いと、成績が悪いと残られるし、良いと出て行かれるということで、確定3年に比べてあまりメリットがないような...。

ウチはこれでドラ2は失わそうなんで、ちょっとホッとしたかな。NapoliとLaRocheだと、LaRocheの方がフィット感も上なんですが、高順位のドラ2を失うほどのメリットはないのかなと思うので(汗)。

WASはホントに隙がなくなりましたね~。Morseはトレードされそうだけど、Ty Mooreがいるし。あとは左のリリーフでしょうか。Morseで左リリーフを狙ってるみたいですね。

ただローテ・各ポジションに隙がないけど、レギュラーや先発もHarenあたりにケガがあるとデプスがちょっと怖いですかね~。野手はMooreとLombardozziで一応大半のポジションはカバーできると思いますけど...。まぁなんにせよWSに向けて準備万端ですね!

estoppel さんのコメント...

ララさん
左のリリーフは無理して補強する必要もないと思います。Bill Brayに加えて、あとRich Hill、Manny Parraとマイナー契約すれば十分かな。

それよりご指摘の先発ローテーションの層の薄さが気になります。いい5枚が揃っているだけに、それなりの投手からは機会が得られないと敬遠されそうです。Javier Vazquezに関心を示しているようですが、BOSと争奪戦となると、そういう意味でも、また資金的にも勝てないかな。ベテランか故障明けでいいので、あと1,2枚は欲しいところ。

Morseを本当にトレードするなら、ブルペン左腕+中途半端なプロスペクトなんて言わず、活きのいい若い投手プロスペクトと1対1がベストです。

有明ハーパー さんのコメント...

横浜のブランドン・マンと契約ですか!!
確か左投げですが、横浜を戦力外通告された投手が
活躍できるのかな・・・楽しみです。

質問なんですが、mutual optionの場合は球団側が
Noと言えばラローシュ側としてはオプション行使できないと理解してるんですが違いますか??

ララさん、管理人さん!!メジャーリーグの契約に詳しくないのでご教授お願いします。

全く関係ないですがsluggerという雑誌にストラスバーグの直球は速いけど打ちやすい??
というデータが乗ってました。
面白かったです。

さらに関係ないですが今年はzimmermannの年になってくれたら最高です。そろそろ爆発する予感!!!



estoppel さんのコメント...

有明ハーパーさん

あけましておめでとうございます。

ブランドン・マンはマイナー契約ですが、左腕なら結果を残していればチャンスはあるかもしれませんね。どんな選手かは全く知りません。良ろしければ教えてください。

相互オプションについての理解はそれで合ってるはずです。球団、選手の「両方」がそれで行こうと合意した場合に発動されるもの。なので、LaRocheの場合であれば、2年後、LaRocheがNoといえばFA。球団がNoといった場合もLaRocheが200万ドルを受け取った上でFAとなります。どちらに有利とは一概に言えない条項という印象です。

Zimmermannは昨季ブレークすると見ていたのですが、もう一息でした。今季こそ、とは思います。その前に契約延長の成否に注目しています。

有明ハーパー さんのコメント...

挨拶が遅れましたが、
あけましておめでとうございます。

ブランドン・マンに関しては『愛され外国人』
としての印象しかないですね。twitterで日本語で
やり取りしていました(平仮名ですけど)。
1年目は怪我で出遅れその後は良かったですけど先発転向した2年目は・・・・今の日本(統一球後)で防御率5点台は正直使い物にならないです。四球で自滅したりしてた印象。

おそらく球団としても中継ぎの左腕としてとってると思うので、SFの阪神にいたピッチャー(名前を失念)の用に日本でダメでもメジャーでブレイクする可能性も・・あるかも。ほぼ願望です。

お答えありがとうございます。いやー、メジャーは契約関係が色々あって覚えるのも大変です。だから楽しいのかもしれませんが。

zimmermannはFAでなく年俸調停ですよね?
契約延長の成否とはどういうことですか?
否という選択肢はあるのでしょうか?
それとも複数年契約を結ぶような流れなんでしょうか??
教えて野郎で申し訳ないです。

estoppel さんのコメント...

>SFの阪神にいたピッチャー
Ryan Vogelsongのことですね。何かスイッチ入った感じで、未だに信じられません。

Zimmermannのところはわかりにくくて済みません。おっしゃるとおり今季は年俸調停対象です。「契約延長」と書いたのは、複数年の長期契約を結ぶかどうかという意味でした。水面下で交渉しているはず。大ブレイクされてしまうと年俸が高騰するので、その前にFAを1,2年遅らせるような契約を結んでしまうことを期待しています。

ララ さんのコメント...

estoppelさん
有明ハーパーさん

相互オプションはどちらかでも行使すれば残留になるんじゃなかったでしたっけ?

オプションの額が高いか安いかは普通球団側から見ての話なんで、まずは球団側がオプションを行使するかどうか決めて、破棄した場合に、次に選手側がFAになるかオプションを行使して残留するか考えるというパターンが一般的かと思います。

わかりにくい説明かと思いますが、

①球団Yes(行使)→ 選手Yes/Noにか関わらず残留。
②球団No(破棄)→ 選手Yes → 残留
③球団No → 選手No → FA

という3パターンになるかと思います。なんでLaRocheが良い成績だった場合はまず球団に選択権があるので、自動的にFAではなかったですね。

estoppel さんのコメント...

ララさん
コメントありがとうございます。

結論から言うと、個別の契約でどのように定めるかは当事者に委ねられているので、どのような内容かは個々の契約によります。

が、一般的には「両方が」合意すれば発動されるようです。昨年12月19日のFangraphsの記事(下記リンク)では、「A mutual option is an agreement by the club and the player that the player will stay with the club for the option year at the option price only if both sides agree. 」と定義されています。

破棄するか行使するかを球団側、選手側のどちらから先に決めなければならないかは特に決まっていないと思います。ただ、球団が行使しない場合には違約金(buy out)を払うとされている場合は、選手としては球団が破棄してくれるのを待つほうが合理的なので自分から先に破棄することはないでしょう。

「相互オプション・球団側破棄の場合の違約金支払い」という条項が付いている場合は、

①球団行使⇒選手行使⇒残留
②球団行使⇒選手破棄⇒FA
③球団破棄⇒選手に違約金を支払った上でFA

の3パターン。「違約金」の条項がない場合は

④選手破棄⇒FA

もありうるので、全部で4パターンでしょうか。

LaRocheについて言えば、2年前のFA契約で、「2013年1000万ドルの相互オプション・球団破棄の場合100万ドル支払い」という条項がついていました。今回は、オフになって球団側としては行使の意向を示したものの、LaRoche側がオプションを破棄してFAとなりました。100万ドルは支払われていません。上記のパターン②に当たります。

こんな感じだと思います。

契約関係については、最近もオプト・アウト条項とか、パーソナル・サービス条項とか、代理人たちがクリエイティブな条項を出してくるの面白い(ややこしい)ですね。

[Fangraphs 記事リンク]
http://www.fangraphs.com/blogs/index.php/what-are-mutual-options-anyway/

ララ さんのコメント...

estoppelさん

ちゃんと調べずに書いてしまい申し訳ありません。もちろん契約なので、当事者同士の合意とコミッショナーの認可があれば構わないんでしょうが。

球団側が高いと見て破棄したものの、選手側が行使して残留というケースを何度か見た気がしますが、Mutualではなくて、Club OptionとPlayer Optionの両方が付いていたということだったんでしょうかね?

ウチは近いところでは、Scutaroが相互オプションだったはずですが、BOSが行使して残留(その後トレード)だったと思います。これもScutaro側が破棄という可能性もあったんですね。

球団が行使で選手が破棄というのはあまり聞いたことがなかったですが、LaRocheはそうなんですね。勉強になりました。

estoppel さんのコメント...

ララさん
>「球団側が高いと見て破棄したものの、選手側が行使して残留というケース」

ちょっと調べて見たところ、2009年2月にJason Varitek(懐かしい!)がソックスと結んだ契約がこれに当たります。下記リンクのでは「dual option」という表現が使われています。まず球団が500万ドルのオプションを行使するかどうか決めて、破棄された場合はVaritekが300万ドルのオプションを行使するかどうか決めることになっていました。結果的には、球団破棄→Varitek行使で2010年もレッドソックスに残留となりました。

[Red Sox公式サイト記事リンク]
http://boston.redsox.mlb.com/news/article.jsp?ymd=20090205&content_id=3801028&vkey=news_bos&fext=.jsp&c_id=bos

ララ さんのコメント...

詳しく調べていただきありがとうございます。なるほど、Dual Optionですか。要はClub Optionが破棄された場合にPlayer Optionが発動するというものですね。Varitekだから記憶に残ってたんですね。Mutual Optionと混同していました。

話は変わりますが、Rafael Sorianoと契約しましたね。2年には収まったけど高いですね...。Rizzo GMとScott Borasの間で色々密約があるのかな?とか勘繰ってしまいます。ドラフトでBorasクライアントを少し安めで契約できるとか...考えすぎか?

普通に考えてクローザーに入るんでしょうけど、Drew Storen、Tyler Clippardもいるし贅沢ですね~。ちょっともったいない気もするけど、それだけ本気なんでしょうね。強力な先発陣にこれだけ後ろも枚数を重ねていれば、そうそう負けなさそうですね。

estoppel さんのコメント...

ララさん
Sorianoについては別記事で書きますが、個人的には好印象です。

密約についてはあえてこの欄で書いてしまいましょう。私の推理は2シナリオあります。

1.Strasburg、Harperの長期契約が絡んでいる可能性。特にStrasburgについては長期契約を本人も望んでいるという噂がありますので、ここで一気に何か進展するかもしれません(希望的観測)。

2.これはかなり大胆な推理ですが、sign and tradeの抜け道の可能性。ドラフトピックをどうしても失いたくないがSorianoを欲しいと思っている球団とナショナルズが、シーズン途中にトレードすることを合意しているのかもしれません(うろ覚えですが、FA契約選手は6月末まではトレードできないはず)。契約において、2800万ドルのうちの半額の支払いが2018年以降に繰り延べされているので、仮に6月末にトレードすればナショナルズが実際に払うのは350万ドルだけになります。

とまあ、書いて見ましたが、実際のところは、オーナーがBorasにころっとだまされたということかもしれません(汗)。

有明ハーパー さんのコメント...

見ていて色々勉強になります。
たしかHarperはピンストライプを将来的には着たい
といっていた記憶がありますが、、、二人の長期契約があれば10年安泰ですね。Zimermannが、残ってくれるお金は残しておいて欲しいですが。

estoppelさんの2の推理は面白いですね。
なるほどそんな抜け道があるんですね興味深いです。

もし、ララさんが言って入るような密約があり、それがバレた日にはBrasは任務懈怠責任で損害賠償でしょう。免許剥奪もあるかも。
でも、Brasほどのタヌキならやりかねない(笑)